水添レシチンの成分解説と安全性、役割

水添（すいてん）レシチンは、レシチンに水素を添加し安定させた界面活性剤です。

レシチンはリン脂質の一種で、リン脂質の中で最も多く体内に存在し、体内の全細胞の膜を構成しており、神経伝達物質の材料にもなります。
また親水性、親油性両方の性質を持っており、天然の界面活性剤として食品にも添加され、乳化剤として使用されています。

大豆や卵黄に多く含まれており、大豆レシチンは血中に長く留まりコレステロールを溶かす働きがあり、卵黄レシチンは神経系・脳機能改善に作用すると考えられています。
そのため、大豆レシチンは生活習慣病の予防、卵黄レシチンはアルツハイマー病の予防や改善に効果があるといわれています。

このレシチンに水素を添加したものが水添レシチンです。
水素を添加することで乳化力がアップし、酸化しにくく安定性も高くなっています。
また浸透性が良くなり、保水力・保湿力が長い間続きます。

レシチンと同じ構造を持ち、水素で安定化しただけなので天然の界面活性剤に近く、肌への負担もほとんどないため、危険性は低いと考えてよいでしょう。
しかし大豆や卵にアレルギーがある場合は一応パッチテストなどで確認してください。
また、大豆レシチンには植物エストロゲンも若干含まれています。
化粧品に配合される程度なら問題はないとされていますが、気にある方は避けたほうが安心です。

乳化剤として水性成分と油分を分散する働きがあり、多くの化粧品に配合されています。
水分を保持する作用が強いので、浸透することで高い保湿力を発揮します。
また頭皮や髪の改善のために、ヘアケア製品にも配合されています。