脂肪酸（C10-30）（コレステリル/ラノステリル）の成分解説と安全性、役割

羊毛の皮脂腺から分泌されるウールグリスを精製してできた炭素数10～30の脂肪酸と、コレステロール、ラノステロールの混合物をエステル化してできるオイルです。

ウールグリスは元々羊が自分の身体を天候や環境から守るために出てくる皮脂で、それを精製したのがラノリンです。
密着性が高く、肌の角質内に含まれる水分が蒸発するのを防ぐ働きがあります。
さらに、コレステロールは表皮の細胞間脂質を構成する成分で、天然保湿因子NMFが保持している水分を蒸発させない働きがあるため、高い保湿力があります。

羊の脂肪酸は人間の皮脂の組成と近いため刺激性が弱く、安全性に信頼が持てる成分です。
ただし動物アレルギーがある人は使用する前にパッチテストを行なうなどして、安全性を確かめたほうが良いでしょう。
同時に、牛肉アレルギーのある人は羊肉にも反応してしまうことがあるため、一応注意したほうがよいかもしれません。

水分の蒸発を防ぐ作用が強いので、乾燥肌用の化粧品やヘアケア製品に使用することで、うるおいや柔軟性を持たせることができます。
特に傷んだ髪のまとまりを良くし広がりを抑える効果から、コンディショナーやトリートメント剤によく使用されています。
また皮膚によくなじみ密着性が高いので、ファンデーションや口紅、アイライナーなどのメイクアップ商品にも向いています。