PVPの成分解説と安全性、役割

ポリビニルピロリドンの略で、N-ビニル-2-ピロリドンの重合体の合成ポリマーです。
アセチレンやアンモニア、ホルムアルデヒドなどから合成されます。
N-ビニル-2-ピロリドンは発がん性があるといわれ毒性が強い成分ですが、PVPは吸収されることがない形に変化しているため、無害だと考えられています。

水溶性で非イオン性のため、多くの分野で利用されています。
溶剤によく溶け、吸湿性が高く皮膜を形成し、さらに接着性もあるので、接着剤、セラミック、繊維、写真、洗剤、化粧品などに使用されています。

合成ポリマーと聞くと危険なイメージを抱かれがちですが、PVPは古くから代替血漿として使用されていた成分です。
現在も医薬品の結合剤や賦形剤（量や濃度を調整するための添加物）として広く使用されており、安全性に関してはそれほど心配する必要はないでしょう。
しかし接着性が高いため、乾燥肌や敏感肌、ダメージヘアの場合洗い流す際に刺激を与える可能性があります。

薄い皮膜を作り、接着性に優れていることから、ヘアスタイリング剤に配合されます。
また、水、アルコール、アミン類など多くの溶剤に溶けやすい性質があり、分散性があるので乳化安定剤としても使用されています。
また、皮膚や髪につけると薄い皮膜を作り保湿・保護することから、乾燥肌やダメージヘアの保護にも活用されています。